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飯田文香展のレヴュー

紋谷幹男が画廊巡りの印象を綴っていきます。

人物や背景が緻密に描き込まれた日本画ですが、
実際の状況を再現したのではなく、
画家の独特な感性によって再構築され、
画面上だけの世界が生まれています。

大画面上のめくめく多様な出来事を、
一つ一つ追ってゆく、
贅沢な鑑賞体験ができます。

写実的な実際の事物の関係の中に、
装飾的な文様が大胆に挿入され、
日常の風景は、妖しい非日常性を帯び始め、
空間の幻想性が意識されます。

主体や背景といったヒエラルキーは意図的に無視され、
構成要素全ては等価に扱われ、
結果、美しく、理解が可能な混沌という
刺激的な事態が起こります。

特定の事物そのものではなく、
私たちが日常と呼んでいるこの世界に共に在るであろう
深淵を知らしめてくれる。
そんな印象でした。

 


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